松山。商店街にたむろする若者たち。
彼らは野球部員である。
松山は正岡子規ゆかりの地である。
子規は野球に熱心であったことで知られている。
《今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸の打ち騒ぐかな》
正岡子規が詠んだ句が画面に映し出される。

室内練習場でキャッチボールをする若者たち。
“すまん” “え?” “俺のせいだ” “お互い様さ” “松山か” “遠いな” “近いさ。同じ四国だ” “やっぱりいくのか。会社辞めて残れ、俺と”

せみ時雨の中、練習場の裏でさきほどの野球部員たちがキスをし、互いの体を求めあう。