『愛欲のデッサン』 ①
紙袋を抱えて歩く青年。
角で飛び出してきた男とぶつかりそうになり、袋を落としてしまう。
中からゲイ雑誌が。
“すみません、考え事してまして”とぶつかった男。
青年、ゲイ雑誌を拾い上げ、無言で去る。
“タナカ書店ですか”と男。
青年、立ち止まりゆっくり振り返る。
“ぼくもその本、毎月買ってるんですよ”
“あなたも…ですか?”
“よかったらぼくのアパートによってみませんか?すぐそこですから。ビデオがあるんです”
“えっ、ええ…”

男の部屋。
コーヒーを飲むふたり。
“どうぞ、くつろいでください”
“すみません、ずうずうしくあがらせてもらっちゃって。ぼく、美大で絵をやっているんです”
“へえ、画家の卵ですか”
“画家だなんて、からかわないでください。ぼく、山崎っていいます。山崎和夫です”
“そうそう、ビデオかけましょうか。あまりいいのないですけど。見るのはじめてですか?”
“ええ。本を買うのもはじめてですから”
男は名作映画のテープを手に取りケースをあける。中にはゲイビデオが。

その夜ふたりはバーへ。
和夫はデッサンの授業にくるヌードモデルの男性を見てからゲイに目覚めたという。
そんないい男なら会ってみたいと男
“僕も何年か前は絵描きをやっていたんだ。でもいまじゃエロ本のイラストレーターさ”そういうと男は遠い目をした。
“アパート代もったいないから俺のところこないか?ひとりもふたりも家賃一緒だし”
男の名は筒井といった。
翌日和夫は荷物を持って筒井のもとへ。

角で飛び出してきた男とぶつかりそうになり、袋を落としてしまう。
中からゲイ雑誌が。
“すみません、考え事してまして”とぶつかった男。
青年、ゲイ雑誌を拾い上げ、無言で去る。
“タナカ書店ですか”と男。
青年、立ち止まりゆっくり振り返る。
“ぼくもその本、毎月買ってるんですよ”
“あなたも…ですか?”
“よかったらぼくのアパートによってみませんか?すぐそこですから。ビデオがあるんです”
“えっ、ええ…”

男の部屋。
コーヒーを飲むふたり。
“どうぞ、くつろいでください”
“すみません、ずうずうしくあがらせてもらっちゃって。ぼく、美大で絵をやっているんです”
“へえ、画家の卵ですか”
“画家だなんて、からかわないでください。ぼく、山崎っていいます。山崎和夫です”
“そうそう、ビデオかけましょうか。あまりいいのないですけど。見るのはじめてですか?”
“ええ。本を買うのもはじめてですから”
男は名作映画のテープを手に取りケースをあける。中にはゲイビデオが。

その夜ふたりはバーへ。
和夫はデッサンの授業にくるヌードモデルの男性を見てからゲイに目覚めたという。
そんないい男なら会ってみたいと男
“僕も何年か前は絵描きをやっていたんだ。でもいまじゃエロ本のイラストレーターさ”そういうと男は遠い目をした。
“アパート代もったいないから俺のところこないか?ひとりもふたりも家賃一緒だし”
男の名は筒井といった。
翌日和夫は荷物を持って筒井のもとへ。
